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臼井由妃:「クッション言葉」を使って、言いにくいことを伝える

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言いにくいことを伝える場合に役に立つのが「クッション言葉」です。「クッション言葉」とは、依頼や謝罪などをする際に添えると、相手の不快感や嫌悪感を和らげる役目をする言葉のことです。

「クッション言葉」としてよく使われるものには、

●勝手を申し上げますが、
●お手数をおかけいたしますが、
●大変恐縮ですが、
●差支えなければ、
●あいにくですが、

などがあります。

 例えば、

(1)断る場合
A.お断りさせていただきます
に「クッション言葉」を添えると、
B.誠に勝手を申し上げますが、お断りさせていただきます

(2)依頼する場合
A。お力を貸していただけませんか?
に「クッション言葉」を添えると、
B.差支えなければ、お力を貸していただけませんか?
といった伝え方になります。

 AとBとは同じ意味であっても、聴く側からすると受け取り方が全く違ってきます。

(1)で見ていきましょう。Aのように断られたら、あなたはどんな感情を持つでしょうか? 断られても仕方がない状況であっても、いかにも冷たい感じです。反感を覚えるのでは、ないでしょうか?

 しかし、Bのように伝えられると、「誠に勝手を申し上げますが」という「クッション言葉」が入っているために、それほど嫌な気はしません。「こちらこそ、無理なお願いをして申し訳ありません」というように、恐縮する場合も多いでしょう。

(2)では、Aよりも、「差支えなければ」という「クッション言葉」を添えたBのほうが、謙虚さや気配りが感じられて「力を貸そう」という気持ちにもなります。

「クッション言葉」一つで、これほど印象が変わってくるのです。ちょっとした気遣いですが、最高の結果を出す人はこうした表現が自然にできます。いかに伝えたら、相手が心を開くかを知っているのです。

■依頼型で会話するメリット

 相手がどんなに偉い人であっても、「●●しろ」「●●するな」といった命令口調で言われたら、腹が立ちますよね。

 ある歌手のディナーショーに参加した時のことです。その方は、誰もが認める大御所ですが、偉ぶらず温和で庶民的なところが魅力。少なくてもその日まで私もそう思っていたのですが、彼の怒鳴り声を聞いてしまったのです。

「ぼやぼやするな、さっさと準備しろ」

 正直、このひと言で彼に抱いていた「いいイメージ」は、完全に崩壊しました。地位や名誉、富……どんなに大きなものを手に入れたとしても、「ああは、なりたくない」と思いました。

 そういう物言いはしていない、と自信があっても、相手が部下や利害関係で自分が優位にあるような場合では、無意識に「命令風な言葉」が出てしまうことがあります。

「●●してください」「●●しないでください」といった表現が、それです。「●●しろ」「●●するな」と比べたら丁寧ですが、やはり命令形。威圧感があります。

 要求や指示、主張が正当なものであっても、相手が素直に受け取るのは難しいでしょう。

 では、先にお話した「クッション言葉」を使ったら、この表現はどうなるでしょうか?

例1.「大変恐縮ですが、●●しないでください」
例2.「お手数をおかけしますが、●●してください」

 何だか違和感を覚えませんか?

 印象を和らげる「クッション言葉」を添えても、「●●しないでください」「●●してください」という命令型では、きつい印象は否めません。

 では、どうしたらいいのでしょうか?
 
 相手に要求や指示、主張したいときは、依頼型で伝えてみて下さい。
 
例1.は、「大変恐縮ですが、●●はご遠慮いただけませんでしょうか?」
例2.は、「お手数をおかけしますが、●●をお願いできませんでしょうか?」

のようにすると、要求や指示、主張であっても相手の都合を充分配慮している、思いやりの念が伝わります。これなら、「はい、分かりました」と納得できるでしょう。

 もちろん、緊急を要する場合や決断を迫る時などに悠長に構えていては、解決しませんから「止めなさい」「逃げろ」「決めてください」というように、ズバリ「命令形」を、選ぶべきです。

■尊敬や思いやりをあらわす「魔法の言葉」

 尊敬や思いやりの念を積極的に示すために、相手の心を開いたり、余韻を残し「また会いたくなる」と思っていただけるように、私が日ごろ使っている「魔法の言葉」があります。会話の印象をぐんと高める、いわば「マジック・フレーズ」です。

 ここでいくつか、ご紹介いたします。

1.相手の心を開いて用件を伝えやすくする「魔法の言葉」
●いただいたお電話で恐縮ですが
相手からの用件が終わった後に、こちらから話を切り出すときに使います。
●お忙しいところ申し訳ありませんが、「3分ほど」お時間をいただけますでしょうか?
忙しい相手に用件を伝えるときに使います。「少々」でもいいのですが「3分ほど」と言ったほうが「時間」に厳しい、きちんとした人という印象になります。

2.帰り際や用件が終わった後に好印象を残す「魔法の言葉」
●お忙しい中、足をお運びくださりありがとうございました
●お足元の悪い中、足をお運びくださりありがとうございました
相手の労をねぎらう言葉は必ず伝えます。
●何かございましたら、(私まで)いつでもご連絡下さいね。
商談や面談の後には、必ず伝えます。単に「お世話になりました」「ありがとうございました」「失礼致します」などでは味気ないものです。別れ際、締めの言葉こそ丁寧にしましょう。それが好印象を残す決め手にもなります。

 他にも会話を円滑にする「魔法の言葉」はありますが、マニュアルにこだわるのではなく、状況に応じて使い分けるのが理想です。

 私は「良いフレーズだな」「心地よい」と思った言葉は、メモしたり何度も声にして馴染んだうえで「魔法の言葉」として使っています。

 会話は、これで完璧というものはありません。相手を思いやる心、伝えるほうも相手も心地よさを覚える言葉、そうした視点があれば大丈夫です。良いと思った言葉をどんどん使い、自分らしいフレーズを見つけてください。

 次回は、カドを立てずに断る会話術です。お楽しみに!


http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140522-00000001-collegez-life


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